陸軍知覧特攻基地の跡地に建つ平和会館
知覧にある特攻平和会館は太平洋戦争末期、沖縄戦の特攻作戦で戦死された隊員の遺書や遺品を展示している歴史博物館です。
戦争の資料に向き合うのは、色々想像してしまい心が重くなるのでどちらかというと苦手なのですが、一度は訪問してみたかった場所のひとつでした。
特攻勇士の像「とこしえに」
いきなり入館する勇気が出ずに、展示されている像や戦闘機を見学。
特攻隊員を模した像は、彼らが向かっていった沖縄を向いています。
一式戦闘機「隼」
特攻隊員と「特攻の母」と呼ばれた鳥濱トメさんとの交流をモデルにした、平成19年の映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」で使われた実寸大のレプリカ。
レプリカだけど、屋外展示していたら劣化しないのかな?
水中に沈んでいた零戦
館内には実機の零戦が展示されていました。
触れちゃダメだけど、写真撮影はOKです。
鹿児島県甑島の沖合約500メートル、水深約35メートルに沈んでいたもので、後ろの部分はありません。
館内にて思うこと
知覧特攻平和会館は飛行場跡地の北の端に建っています。
館内は、原則写真撮影禁止です。
遺品や戦闘機の展示が並んでいますが、視聴覚室では1日に4回ほど、知覧出身の語り部が特攻隊について解説してくれます。
30〜40分ほどですが、理解が深まるので途中からでも聞いてほしいです。
中央展示室の壁面には、陸軍沖縄特攻作戦で亡くなった1036人の隊員の遺影がずらりと並んでいます。
最年少は17歳。
平時であれば飛行機乗りはエリートで、未来は明るいはずでした。
ひとり1人のお顔を見ると、こんなにも多くの方が…と改めて特攻作戦の恐ろしさがこみ上げてきます。
遺影の前には、家族や恋人に宛てた手紙や遺書、遺品が展示されています。
びっくりするほど字が綺麗な方が多く、教養のある有望な若者だったんだろうなぁと胸が苦しくなりました。
自分や仲間を鼓舞するかのような猛々しい言葉も目立ちますが、母への感謝、家族や婚約者など愛する者への思いが垣間見られるような言葉もあり、彼らの葛藤はどれほどのものだったのだろうと、涙が止まりませんでした。
館内には「特攻の母」鳥濱トメさんなど、当時を知る方の映像も見ることができ、隊員との思い出を寂しげに語っている姿はとても印象的でした。
3時間ほど滞在しましたが、心の整理が追いつかなくて、時間は足りないくらいです。
三角兵舎
知覧特攻平和会館の外には、出撃する直前の特攻隊員たちが寝泊まりした三角兵舎が復元されています。
敵に見つからないよう林の中に半地下で建てられた薄暗い建物の中で、全国から集められた隊員は出撃前の2、3日を過ごしました。
固いお布団と枕。
出撃前夜にはここで壮行会をし、遺書や手紙をかいたそう。
気丈にふまってはいても、夜中には声を押し殺して泣いている方もいたとか。
もし自分だったらと考えると、涙が溢れてきました。
まとめ
遺影には名前や出身地などが記載されていて、遠い昔の話だと思っていた特攻隊員がとても身近に感じられ、やるせない気持ちでいっぱいになりました。
家族や愛する人を守るため飛び立った若者たちがいたからこそ、今の私たちがいることに感謝の念を抱き、言葉にはできない感情で涙が止まりません。
戦争で犠牲になられた方々のご冥福を祈ります。
平和の意味や、教育の大切さ、人生のことなど、本当に色々なことを考えさせられました。
人それぞれ思うこともあると思いますが、可能ならば時間をとって、年齢も性別も国籍も問わず、色々な方に訪れてほしい場所です。
知覧特攻平和会館 詳細
〒897-0302 鹿児島県南九州市知覧町郡17881
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