新居浜のあかがねミュージアムで行われている素心伝心スーパークローン文化財展へ行ってきました。
素心伝心スーパークローン文化財展とは
文化財を守り、継承していくことを目的に東京藝術大学が開発した特許技術をもとに作成された「スーパークローン文化財」の展示をしています。
単なる複製とは異なり3Dスキャンし再現するなど、よりリアルなものを目指しているそうで、その空間を丸ごと再現しているような展示もあり、愛媛にいながらシルクロードの世界観を存分に味わうことができました。
法隆寺
まずは奈良の法隆寺から展示はスタートです。
薄暗い中に浮かび上がる釈迦三尊像。
お香のいい香りが漂い、法隆寺のお経の声が響き、とても厳かな空間です。
周りの壁には壁画も再現されています。
本家の法隆寺は内部の写真撮影は禁止ですが、こちらのスーパークローンは写真撮影可能。
嬉しいですね。
敦煌莫高窟 57窟
中国の砂漠に掘られた約500個もある洞窟のうちの57窟。
唐の時代(7世紀頃)に作成され、別名美人窟とも呼ばれています。
「東洋のビーナス」とも呼ばれ、美人窟と呼ばれる所以にもなった菩薩様。
薄暗い中で見ると装飾部分の金色が浮き上がって見えてとても綺麗!
壁の凹凸も3Dで計測したようでとてもリアルです。
油彩画
モネの日傘の女。
遠くから絵にライトを当てていて、風が吹き、足元の草がそよいでいる様に見えて驚きました!
動画撮影禁止だったので、静止画でのお届け。
気になる方はぜひ会場へ。
ゴッホの自画像もありました。
まるで本物みたい。
浮世絵
日本が世界に誇る芸術のひとつ、浮世絵も多数展示されていました。
浮世絵に使われているインクは植物性で、太陽の光で色褪せしやすいという特性がありますが、会場には印刷当時の色合いに近いボストン美術館にある浮世絵をクローン技術で蘇らせた作品が展示されており、色鮮やか!
擦られたときの版画の凸凹も再現したそうで、芸が細かい!
浮世絵ごとにイメージした香りも付けられていて、見るだけじゃなく、香りも楽しめる面白い展示になっていました。
壁には大きく引き伸ばされた浮世絵も展示されていて、浮世絵の世界に入り込んで写真を撮ったり、思ったより楽しかったです。
北斎大好き。
こちらは歌川国芳の作品。
コミカルに金魚が擬人化していて、はるか昔から日本人は漫画が好きだったんだなぁとクスッとしてしまいました。
他にもウイグルのキジル石窟やミャンマーのバガン遺跡など、なかなか見られない遺跡が再現されています。
中でも、2001年にタリバンに破壊されたアフガニスタンのバーミヤン遺跡の石仏の天井画も再現されていたのには驚きました。
ゾロアスター教の神様・ミスラやギリシャ神話のアテナやニケ、ブッダなど色々な文化が混ざり合っていてとても興味深かったです。
1階の360℃シアターでは「別子太平記」というショートアニメが見られたり、スタジオジブリのアニメーター・近藤勝也さんのVR展覧会が見られたり、暑い日や雨の日にはぴったりな施設です。
令和3年8月29日までの展示なので、気になる方はぜひお出かけください。
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